一般演習・5

私の番だ。今までで一番多くの人間が発言したが、学校で道徳教育を教えたらどうか、に批判集中。私の、地域という共同体はもうほとんどないから学校で教えるしかないなぁ、に対して、ほとんどの人間が「いや、地域共同体は再生できる。むしろ学校で教えて効果があるのか」という理論に基づき、集中砲火を浴びせてきた。しかし、理想論だよ、そんなものは。みんな若いな・・・。もちろんコトゴトク反論し続けたら、最後には何も言わなくなる奴らばっかりなので、少し虚しい。「そんなに言うんだったら、もうええわ」って感じで沈黙するので、何だか私が悪者みたいな雰囲気になった。
先生は、もう学校を廃止して、私塾のようなものに、通いたい人間だけ通えばいいという意見を出した。一番ラディカルな意見である。私とは立場を異にするが、この意見が一番納得いった。今日も思ったが、やはり教授以外は根拠付けの乏しい意見ばかりだ。
先週郵政民営化について発表した男子が発言したので、また「じゃ、あなたの考えに立つと、これからどうすればいい?」と訊いた。以下やり取りを記す。


彼「先週もそんな事を聞いてきたけど、そういう風に結論をすぐに求めるのはどうか・・・」「いや、私は、あなたの理論は分かったが、じゃそれでどうやって現状を打破するのか、よく分からないので、教えてもらいたいわけで質問しているんです」「だから、そういう質問はどうかって言ってるわけで」「ん?つまり自分で自分の理論を説明できないので質問するな、ということですか?」「そういう質問の仕方が、だからよくないと・・・」


しかし、議論ってのはそういう質問と答えの積み重ねであるし、私には、彼が答えられないから屁理屈を言っているようにしか聞こえなかったですが。
さらに終了5分前、教授と私がやり取りしていたら、ポツリと「あぁ〜帰ろ」という声が。私と教授が同時に見ると、素知らぬ顔で片づけを始める一番後ろの席の男。以下また記す。


教授「君、何か意見は?今まで一言もしゃべってないが」「・・・じゃあ言います。僕は学校の、机の上で道徳の授業をするよりは、総合的な学習の時間とかで外で活動して、たとえば虫を殺してしまって、死んだ。生き返らない。これで命の大切さが分か・・」教授「僕は小学生のころ虫を殺したことがあるが、別に命の大切さは感じなかったけど」「それは先生の個人的な意見でしょ?」私「僕も同じだ。アリを殺したが、それで命の大切さについて何も考えなかったですが?」(急に怒った口調で)「それも個人的な意見やん。そんなん知らんわ」教授「それじゃ彼(takamiism)の質問に答えてない」「ちょ、先生さっきからしゃべりすぎですよ」教授「僕も意見を言わせてもらってもいいはず」「や、僕は発言者に言いたい」(私の方を向いて)「虫殺すとしよう」私「ええ」「生き返らんやんね?」「でしょうね」「そしたらいのちの大切さが分かるやん」「そこは飛躍しすぎでは?我々は分かるかもしれないが、小学生にそれがはたして分かりますかね?」「だから、分かるって言ってるやんかぁ!」「その根拠は?」「さっきから言うてるやろ、聞いとけや」教授「君、帰ろって言うたな?」「言ってません」「絶対にか」「は?だから言ってないって」私「いや、私も聞いた」「はぁ?お前に関係ないやろ・・・」(若干怒りを滲ませながら)教授「そうか、分かった。今日はこれで終了!」


何だ、あの馴れ馴れしさ、ふてぶてしさ、論理のなさは・・・。私は発表で公と私について述べ、何でも好き勝手ではいかんと言ったのに、彼の方こそ私の話を聴いてなかったのではないのか。ああいう奴がこの世に存在することが問題である。あいつが発表する回は、とことん追求してやる・・・。