孤独の鼓動

一人きりでいることが孤独なのではない。孤独とは、集団の中にいるからこそ生じるものだ。孤独が嫌なら、集団に属さなければいい。ただそれだけのことだ。
休み時間、私は教室の中に存在する人間の集まりの中にいる。そっと目を閉じてみる。四方から様々な会話を構成する声が、雑音として私の耳に届くのが分かる。きっとその教室の中の人間は、それぞれに大学生活を送り、それぞれの不満を持ち、それぞれが何かの楽しみを見つけ、時間を過ごしていくのだろう。そして私は、その誰とも会話せず、不平を共有することもなく、楽しみを知ることもないままに、時間について考える。その刹那、孤独が鼓動する。孤独とは、なんと心地のいいものなのだろう。今度は、孤独の鐘の音が聴きたい。