他人を見下す若者たち/速水敏彦


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図書館から借りた。家では1ページも開かず、通学時の電車の中でのみ読み進めたので、新書にもかかわらず読み終わるまで時間を要した。
さて、「何の根拠もなく他人を見下す人間が増えているのではないか」という筆者の意見には共感できる。これを「仮想的有能感」と筆者は呼ぶ。私もなんとなくではあるが、他の人間の行動を見ていると、そのように感じるときがある。まぁ、何の根拠もなくそう思っただけなので、これ以上は立証できないが。
終盤で、これからどうすべきかという筆者の提案が書かれているのだが、これが実に凡庸。具体的には、「しつけの回復」、「自尊感情の強化」、「感情の交流」等が挙げられている。「家族、そして社会との感情の交流が必要だ」とも言っている。では、その提案を実現させるためにはどうするべきなのか。その説明はない。そこまで言うべきではないのか。やや拍子抜けしてしまった。
ところで、私は何の根拠もなく大衆を「愚民」と呼称しているのだが、私も仮想的有能感が高いのであろうか・・・。