西洋哲学史 古代から中世へ/熊野 純彦

http://www.iwanami.co.jp/hensyu/sin/sin_kkn/kkn0604/sin_k291.html
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4月からやっていた読書会で使用していたもの。6月で読書会自体には参加しなくなったが、折角なので最後まで読んだ。
タイトル通り、新書1冊で古代から中世までを概説してある。しかし、概説といっても、「それぞれの哲学者の思考・・・を、現在の私たちにも追体験可能なしかたで再構成すること」(まえがき)を目指して、ふんだんに引用を配しつつ、叙述されている。そのため、非常に読みやすい*1。もちろん、著者の哲学観が反映されているが*2、そうであるからこそ理解しやすくなっていると思う。
新書である以上、網羅的に取り上げているわけではない。しかし、これまでもっぱら近代以降の哲学に目を向けてきた私としては、とても勉強になった。かつ、古代や中世*3が非常に重要だと再認識した。古代の哲学は、まったくいいものだ(笑)
なお、続きとして「近代から現代へ」もある。こちらも読んでみたい気もするが、いくつかの例外を除けば*4、近代以降の哲学にあまり興味がない。気が向いたら読もう。ということは、十中八九、読まないな・・・。

*1:ただ、読書会ではこの点がむしろ「分かりにくい」とか「古代の話のところにサルトルが出てくるのはどうか」などと言われていた

*2:あるいは、反映されざるをえないが

*3:特に、古代

*4:もちろんスピノザウィトゲンシュタインのことである