語録/エピクテトス

図書館から。「世界の名著」第13巻に収録されているもの。残念ながら、抄訳。
性懲りもなく、ストア派である。時代としては、セネカと哲人皇帝の間の人。解放奴隷である。相変わらず、素晴らしい。
なお、これは、エピクテトス本人が書いたものではなく、弟子のアリアノスが書き留めた講義録になっている。本人が書いた作品は、存在しないようだ。


「現に、私は理性的なものなのである、私は神をたたえねばならない。これが私の仕事である、私はこれをする」(277頁)


「私は死なねばならない。もしいまというのなら、すぐに死のう。もう少し経ってからというのなら、時間だから、いま食事をしよう、それから死のう」(282頁)


「きみのものは、あらゆる仕方で守るがいい、他人のものはむやみにほしがるな。誠実はきみのものであり、つつしみはきみのものだ」(301頁)


「困難に呼び出されたならば、教養が私たちの身についたかどうかを見せるときが来たのだ」(309頁)


「意志外のもののあるところでは、きみは大胆であれ、だが、意志的なもののあるところでは、慎重であれ」(313頁)


「きみはなにか。人間である。・・・きみが人間を人間として考え、なにか全体の部分として考えるならば、その全体のために病気をしたり、航海をして危険を冒したり・・・また時あっては寿命前に死んだりすることもきみにはふさわしいわけだ」(412頁)


「すべてにおいて、きみ自身の善を守るがいい。だが、他のことは・・・きみに与えられているものだけで満足するがいい」(365頁)


「小さい肉体は本来、泥土である・・・時がたてば、それがなんでもないことを知るだろう」(375頁)


「私は・・・私がその気に入り、それに仕え、従うべきものとしての神と・・・私自身とを持っているのだ。神は私を私自身に推薦してくれた。そして彼は私の意志を、私だけに従属させて、それを正しく使用するように、基準を与えてくれた」(378頁)


「外物や他人のものは、なにも追いかけるべきではなく、主権者である神が配置したように、つまり、意思的なものはなんとしてでも追いかけるが、その他のものはそれが与えられているままにしておくべきだ」(379頁)