遺された断想(1883年5月〜1884年初頭)/ニーチェ

白水社版全集・第2期第6巻に収録。
時期としては、この間に、「ツァラトゥストラはこう言った」第2部と第3部が完成している頃の遺稿にあたる。
主な内容は、「ツァラトゥストラ」のための、長短さまざまなメモやアフォリズムで構成されている。
特に、この巻では、過去の自分の著作や遺稿からの抜粋が多い。繰り返し自分に向かって言い直す、まさに「自分自身のために書く」ことを実践していた様子が、よくわかると思う。


「違う時代に生きているように私は生きる」(9番31節)


「うけとるときにはすげなくせよ!」(12番1節)


「私は、私の高みの哄笑を、君たちの顔に向かってあびせかけるのだ」(13番1節)


「私は喜んで死にたい。・・・死ぬために生きるのだ!」(同上)


「運命と笑いがツァラトゥストラの父と母である。恐ろしい運命と愛らしい笑いが、このような子孫を生んだのだ」(17番21節)


「祝福する、すなわち偶然に美しい魂を与える」(19番15節)