遺された断想(1881年春〜82年夏)/ニーチェ
白水社版全集・第1期第12巻に収録。
時期としては、「曙光」出版後から、「華やぐ知恵」出版まで。
「永遠回帰」に襲われ、「神の死」「運命愛」「世界を力の発現と見る」といった、一連の概念が一気にまとまりを見せていく様子が、よくわかる。
同じ時期に、スピノザやエマソンの著作の抜き書きを行っていることも、興味深い。
「事物を、そのあるがままに認識しようとすること――これのみが良質の傾向である。他人の方をうかがったり、他人の眼で見るのは、駄目である・・・無関心な態度の増大!」(11番10節)
「われわれは、ひとつの芸術作品を・・・自分の人生を作り上げていかねばならない!」(11番165番)
「いつもいつも自分自身であるところのものであれ」(11番297節)