第8回「獄卒SS企画」感想
「存在するものはすべて神の内にある。そして、いかなるものも神なしには存在しえないし、また考えられることもできない」(スピノザ『エチカ』第1部定理15)
『今回も、孤高にて』
今回もまた、われわれの感想配信は、ありません。相変わらず、仲良くやっています。
『はじめに』
今回の感想も、他の人の感想を読む前に、感想配信を聴く前に、書いたものです。信じられないかもしれないが、本当のことだ。
『虚世代』
ルフさんの作品、その1。
タイトルにある「虚世代」とは何であり、誰のことを指すのか、という話。
第7回「獄卒SS企画」投稿作品に続き、今回の主人公も社会人である。こっそりと「ルフさんのサラリーマン・シリーズ」と呼んでいる。あ、書いてしまった。
ところで、主人公は後輩たちのことを「心なき」と形容している。心って、何ですか?
『楽園』
私が書きました。
以前の感想配信のコメントで、「また哲学的なものを」という趣旨のものがあったことを思い出し、それを真に受けて、書いた。
文字数制限を守るつもりが毛頭ないので、分割で作成した。連作短編として、読んでいただければと思う。
最初から最後まで会話文のみにしてみたが、どうだったろうか。
「追記・1mmさんの感想を読んで」
「私は世界と共には在れないと思っている」、まさにその瞬間、もうすでに、あなたは世界と共にある。そういうものです。おそろしいですね。
ところで、浮かんできたという暗いお話の草案、どうなりましたか。私は、読んでみたいです。
「追記・篠原さんの感想を読んで」
「どこの誰なのか、何と話してるのかはわからない」、ご指摘の通りであります。そのつもりで書きました。
今回は、「抽象的に書く」ということをテーマに、書いています。
ところで、会話している片方は神様ではないか、とのことですが、神って何ですか?
「追記・ルフさんの感想配信を聴いて」
「われ思う」の話が出てきましたが、私は、デカルトには反対の立場です。「楽園」も、「アンチ・デカルト」として、書いたつもりです。伝わらなかったのならば、私の修行不足です。励みます。
ところで、今回も、登場人物、殺しませんでしたよ。誰も死んでいません。
『空に落ちる』
篠原さんの作品。
もぐら、大地に死す。
彼は、知らなければよかったのだろうか。そうすれば、死なずにすんだかもしれない。いや、そんなことはない。好奇心こそが、生きている証なのだ。たとえ死んでも、それで構わないではないか。
『粗かくも増えゆき』
ルフさんの作品、その2。
コピーする洞穴の話。
歯止めをかけるのは、とても難しい。冷静に見つめる自分というものを、いつも自分の中に飼っていたい。
それにしても、ルフ作品は、尾行する人が多い。
『ちくわ』
こるくるさんの作品。
ちくわに魅入られた男の話。
具体的なものにこだわらず、抽象的に考えることに徹する。それは、できることだろうか。
それにしても、心からのちくわだった。
『花にて埋葬』
1mmさんの作品、その1。
多くを語らない書き方、短い分量の作品。私も、こういう作品を書けるようになりたい。
わかっていないことは、たくさんある。
もどかしさを抱えながら、人は生きていく。
『螺旋階段』
赤井さんの作品。
輪廻転生の話なのか、あるいは心臓移植された人の話なのか、よくわからなかった。
振り払うことも、逃げ回ることもできない。ならば、どうするか。背負い、巻き込まれ、戦い、遊ぶのみ。
『夜明け前の夢に、永愛。』
1mmさんの作品、その2。
朝の寝起きの、何気ない風景を描いた話。
永遠は、どこにあるのか。この一瞬に宿る。
『地下街にて』
シノザキさんの作品。
地下街で暮らす人たちの話。
どうして、戻ってこないんだろう。さて、どうしてだろう。それは、行ってみないと、わからない。
よくわからないなら、やめておくべきだろうか。いや、時には、賭けてみるのもいい。