若田研究室に行く 第22回

まず、ハイデガーの「時間」の概念について話した。教授によると、「何もない宇宙を想定した場合、そこに時間は存在しない。つまり、時間は過去・現在・未来とあるのではなく、我々が存在するかぎりにおいて時間もまた存在する。そして、現在という時間もまた、我々の存在によって規定されている」というようなことを言っているらしい。分かったような、分からんような。
次に、ウィトゲンシュタインの話をした。お互い詳しいことは知らないのだが、「語りえぬものの前では、沈黙せねばならない」という命題について検討。教授はそこに、私にはよく分からない何かを見出したらしく、途端に興味を示し始めた。さらに、「今からウィトゲンシュタインをやるのもなかなかしんどい。人から話を聞くのが手っ取り早い。君がウィトゲンシュタインの本を読んだら、また教えてくれ」というようなことを言われた。
なお、ウィトゲンシュタインは論理学によって言語の限界を示そうとしたらしい。自殺願望もあり、「死とは何か、生きるとはどういうことか」ということを考えてもいたらしい。