遺された断想(1876年〜79年末)/ニーチェ

白水社版全集・第1期第8巻に収録。
時期としては、「反時代的考察 第4編」出版後から、「漂泊者とその影」出版まで。
「人間的な、あまりに人間的な」「さまざまな意見と箴言」「漂泊者とその影」のための下書きが多い。
また、80年代以降のニーチェにつながる要素も、簡単な表現ではあるが、頻出していて、興味深い。


「自分自身に恥じる必要がないように、生きろ」(29番29節)


「さざ波――静寂な夏の日に、岸辺にひたひたと寄せる――エピクロスの園の幸福」(30番31節)


「彼は強い意志を持っている。彼の知性、彼の判断力と想像力は、どのような時期においても一様で、同じことか、とてもよく似たことを、心をそそるように言う――これは、自由な意志とはまったく関係がない。彼は他人から独立しており、それゆえ自己に依存している者として、自由である。自由ではない、弱い者は、自分に十分に依存しておらず、それゆえ他人にどこまでも依存している」(47番1節)