エセー 第1巻/モンテーニュ

岩波文庫版・第1巻~第2巻に収録。

史上初のエッセイで、1570年ごろ~1592年にかけて書かれたもの。

詩や哲学者の言葉からの引用と、様々なエピソードの紹介がとても多く、具体的で、読みやすい。

冒頭の第1章で、人間という存在のはかなさを述べ、最後の第57章で、人生は短いことと死を想え、と説く。

その間の章では、「同情しない」「悲しまない」「徳は快楽であり、喜びである」「群れない」「理性に従い、自然に従う」といったテーマが、繰り返し取り上げられている。

モンテニューにとって大事なことは、「節度」「冷静」「穏やかさ」であることが、よくわかる。

ニーチェにつながる「自己への配慮」の系譜を、ここにも見出すことができる。